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2015年2月17日 (火)

映画 『ソロモンの偽証 前篇・事件』 試写会に行きました。

行きました…というか、職場なんですが。
先週、業務試写会にお邪魔して、一足早く観させていただきました。

公開前ですので、映画の内容には触れませんが、少し思ったことを書きます。

『ソロモンの偽証 前篇・事件』は3月7日(土)公開です。

作品はとても素晴らしかったです。余計なことを考えずに、引きこまれて観ていました。やはり物語がもともと持っている力が強くて、冒頭のタイトルのところで、作者「宮部みゆき」の名前がドンと出るのもうなずけました。ちょっと大袈裟かもしれませんが、あのタイトルが出るとこだけで、今まで味わったことのない感動を体感したような気さえします。原作未読なのですが、小説を隅々まで味わい尽くしたような充足感でいっぱいになりました。

観終わって、まず思ったことがあります。

これは、映画史に残るとんでもない失敗なのではないか、ということです。
こんなに素晴らしい作品なのに、どうして前後篇に分けてしまったのか。「前篇・事件」は3月7日公開、「後篇・裁判」は4月11日公開ともうすでに決まっているわけですが、わたしは松竹の会社に乗り込んで、直談判しに行きたくなるくらい、この作品は一本にするべきだと心から思いました。
4時間でも5時間でも、この作品だったら大丈夫だと思うのです。前篇は2時間くらいなのですが、間に休憩を入れて、後篇の裁判をすぐに見せる形がよかったなと思いました。(間に休憩とか、ちょっと裁判ぽいな、っていうのもあるし。)
もしこれが一本の作品になっていたら、社会現象になっていただろうな、と夢見てしまいます。全国ロードショーの作品で本編4時間って、もう出来ないのかもしれないですね。これは最後のチャンスだったのかもしれないなと思ってしまいます。学校や仕事帰りでは行く気になれないかもしれないし、休日ならばそれだけで終わってしまうことになりかねません。時間の長さだけで避けられてしまうことはよくあります。だけど、この作品だったら…。作品の力を信じてよかったのになと思います。
公開前ですから、松竹さんまだ間に合うよ!と言いたいところですが…笑。
わたしとしては、後篇が公開される4月まで前篇は観ないで!と主張していこうと思いました。

試写会の翌日。
朝、目が覚めて、物語のことを考えました。
この事件はどうして起こったのだろう。あの人はどうしてあんなことをしたのだろう。
そこで、はっと気がつきました。
もし一本の作品で、後篇をすぐに観ていたら、こんなふうに事件の真相について想像をめぐらすことは出来なかったんだな、と。布団の中で気がつきました。
そう考えると、前後篇で分けるのが、むしろ良いことのように思えてきます。こういう利点もあったんですね。熱くなっていた前日の自分が恥ずかしくなり、まったく逆の反応が出てきたことにちょっと凹みました。

いやいや!しかしですね!
4時間以上どっぷり浸かることが出来る作品として、これは最高の作品だと思うんです。ひとつの物語を4時間かけて体験するという経験は、なかなかありません。長くても面白かったら観れちゃうんだって気づいてもらえる、映画体験のチャンスが失われてしまったことが残念です。
それから、一気見しようと前篇を見ていない人が、後篇の予告を避ける労力を考えると、一本の作品であってくれたほうが助かりますよね。結構大変なんですよね、予告避けるの。すごく疲れます。
あとは、わたしの好みの問題なんですが、後篇の冒頭で前篇の振り返りをされるのがイヤなので、それがないことを願っています。そんなことされたら、白目になっちゃいます。きっと大丈夫だと信じています!

なんだか最後はグチみたいになりましたが、前後篇問題はともかく、作品は素晴らしいのでお楽しみに、ということです。わたしも沢山のお客さんがいらっしゃることを考えるだけで、わくわくしています。とても楽しみです。
観る方の自由ですが、4月の後篇公開を待って、前後篇を一気に観るのもやはり一興だと思います。それが出来る人のことをわたしは大変羨ましく思います!前篇を観てしまったわたしには、もうそれをゼロから楽しむことは出来ないので、一気見する方の衝撃や感想を読むことを楽しみにしています。

ガツンとヒットする日本映画、期待してお待ちください。

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