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2015年12月23日 (水)

映画 『クリード チャンプを継ぐ男』 華麗なる世代交代

初めて『ロッキー』を見たのは『ロッキー・ザ・ファイナル』が公開された時。ファイナルの前に予習としてシリーズを一通り見たはずです。

一作目の『ロッキー』だけは手元に置いています。

大好きな恋愛映画です。
…前にそう答えて、大人の人に褒められたので、以来『ロッキー』は恋愛映画だ!と訴えるようにしています。

『クリード チャンプを継ぐ男』を「ロッキー7」と捉えることに抵抗を覚えます。それは、シリーズに入ってくるんじゃねぇ!という気持ちではなくて、これこそが一作目『ロッキー』の続編だ!と思えるからです。

横続きの続編というより、縦軸の続編。ロッキーの戦友だったアポロの息子アドニスが主人公であることと同じで、映画自体も次の世代へ受け継がれたように思うのです。


初めて『クリード』の予告を見たとき、ロッキーがあまりにもジジイで笑っちゃうくらいでした。そりゃそうです、一作目から40年経っているんですから。
「シリーズの続編」と意識していたせいか、観始めるまでロッキーが主役ではないことに気づいてなかったかもしれません。…それはちょっと言い過ぎかもしれませんが、そういえばアドニスが主人公なんだよなって、本編が始まってから思い出しました。
『クリード』でのロッキーの役目はあくまでセコンドです。普通なら久々の復活で、戦わせることはないにしても、無駄に出番を増やしたり、おいしいシーンを作りがちな気もしますが、ロッキーはきっちり脇にいます。そう、だって『クリード』なんだから。

主人公アドニスに生卵を飲ませたり、サンドバッグの代わりにお肉を打たせたり…そんなことはしていません。「ロッキーと言えば!」がないところも好感が持てます。でも、アレはやってます!ファンがニヤリとするような、そのあたりのさじ加減が素晴らしいなと思います。わたしが好きなのは、ロッキーの家で、ロッキー・アドニス・アドニスの彼女ビアンカの3人で、ひとつのカウチに座っているところです。メンツは違うけど、また3人で過ごしているのね、って一目でわかるシーン。泣きました。

懐かしさも交えながら、今の時代をしっかり映しているところも素敵です。アドニスは自分が生まれる前に亡くなった父の勇姿を、YouTubeで見ています。(YouTubeにない動画って、本当にないわね。と思ってしまった) それからビアンカがやってる音楽とか。気持ち的にはロッキー側の人間なので、若いもんにはついていけん!と感じるところもありました。それもそのはず、監督のライアン・クーグラーは1986年生まれです。自分たちの時代を組み込んで、こういう作品を作るということは、まさに伝統を受け継ぐことと同じで、素晴らしい仕事をしたな、と思います。先人に倣うだけではなく、今を取り入れなければ意味がない…とわたしは信じています。


縦軸の続編。先を行く者と後を追う者が、互いを尊重し自分の役割を果たしたとき、初めてバトンリレーは成功するのかもしれませんね。こんなに美しく感じる続編はなかなかないと思います。



最後に。心優しいロッキーの姿が、一作目からここに戻ってきたような気がしています。わたしはスタローンも好きだけど、やっぱりロッキー・バルボアが大好きなんだ!って『クリード』は思わせてくれました。

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» 「クリード チャンプを継ぐ男」 [ここなつ映画レビュー]
これはヤバイ。何の捻りもないのにここまで魅せるなんて。全て大体の予想はつくのに。それもあっさりと、と言ってもいいほどに。サクサクとした物語の進行具合。だがお約束の12ラウンドの死闘に至るまでの静かなる、ある種大人な盛り上げ方…!「どこで出るのか?もしかしたら出ないのか?」と思わせた「ロッキーのテーマ」の曲の使い方。ちょっと尋常ではないよ。こうなるって…リングのシーンが凄いことになるとは判ってても、やはり燃えちゃうし、泣いちゃう。かつてロッキー・バルボア(シルベスター・スタローン)とリングで死闘を繰り... [続きを読む]

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